(一社)食品冷凍技術推進機構(FF Tech)は8月26日午後、東京・港区の東京海洋大学・楽水会館で第45回食品冷凍技術懇談会を開催しました。FF Techが昨年発足以降、2回目の対面開催による懇談会です。50名を超える参加を得て、第1部勉強会『コールドチェーンの再構築提言に向けて』、第2部施設見学会(FF Techのラボをはじめ連携している大学の研究室)、第3部立食による情報交換交流会と、食品冷凍技術に関わる人々が集い、交流して充実した午後を過ごしました。

【第1部】勉強会:コールドチェーンの再構築提言に向けて

第1部勉強会で挨拶、開催趣旨を述べた鈴木徹代表理事(東京海洋大学名誉教授)です。後方は進行担当の南谷哲央監事。

鈴木代表理事は、コールドチェーン勧告から50周年を迎えた2015年に日本冷凍空調学会主催の記念講演会を開催して以降、同学会内での研究協議会の活動が終息したことなど振り返りながら、「冷凍食品が成長している今、コールドチェーンをもう一度見直す必要があるだろう」として、来年のコールドチェーン勧告60周年に向けてプレスタートとして位置づける勉強会と語りました。

続いて、総論、水産物、青果物について3講演の企画でしたが、水産物担当の病欠により、代わって鈴木代表幹事が課題を提言。3講演終了後は参加者から活発な質問、発言も出て、交流の成果を挙げました。

その中で、加工原材料の解凍に関する研究はされているのかという質問に関連して、鈴木代表幹事から「良い状態に戻す、ということまでコールドチェーンのシステムとして考えていくべきでしょう」と提言する場面もありました。

↑東京海洋大学・渡辺学教授による講演「コールドチェーン技術の高度化・標準化への課題と展望」

↑東京農業大学・馬場正教授による講演「青果物の品質保持とコールドチェーン」

質疑応答風景。

FF Techからのお知らせとして、教育事業を担当する山本達也理事が「食品冷凍技術基礎セミナー」「食品品質保証基礎セミナー」「食品冷凍基礎技術実習」を紹介しました。「食品冷凍基礎技術実習」は9月24日に初開催の運びで、少人数(先着順)で実技指導を行います。
第1回食品低糖基礎技術実習(9/24)

【第2部】施設見学会(FF Techラボ、食品冷凍、熱操作工学、物性、プロセス)


【第3部】情報交換交流会

情報交換交流会では、FF Tech顧問の高野克己先生(食品保蔵科学会会長、前東京農業大学学長、前食品化学工学会会長)が挨拶。途中出席者の自己紹介も交えて交流を深めました。

地方独立行政法人鳥取県産業技術センター・食品開発研究所の中野陽氏から、花蕾の落ちにくいブロコリー凍結の研究成果に関するプレゼンテーション、試食も行われました。

コールドチェーン勧告から60年目~再構築提言へ向けて:第45回冷凍技術懇談会に50名を超える参加